あなたが日本酒好きに変わるとき

日本酒の印象が劇的に変わる瞬間

僕が考える日本酒を楽しむための、最優先事項は、「これはうまい!」と思える日本酒に出会うことです。

日本酒好きの人と話をしていると、ほとんどの人が、自分が好きになるきっかけになる日本酒を覚えています。あの日本酒を飲んでから、日本酒にはまったという話をよく聞きます。最初から日本酒が好きだったという人よりも、あの日本酒と出会えたから、日本酒を好きになったという人が多いような気がします。

山の壽との出会い

僕が日本酒を好きになったきっかけは、「山の壽(やまのことぶき)」という福岡の日本酒です。自由大学の「入門日本酒学」の第1回目の講義のことでした。お酒を飲むんだから、飲み会みたいで楽しそうという軽い気持ちで受講を申し込んだのを覚えています。それまで、僕は沖縄出身の大学教授の影響で泡盛をよく飲んでいました。日本酒は飲んだことはありますが、味わいに特筆する印象がなく、良い印象は持っていませんでした。

ところが、「山の壽」を一口飲んだときに、「これが日本酒なのか!!」、「なんだこれうまいぞ」、「日本酒なのに甘いじゃないか(それまで日本酒は辛いものと思っていました)」、美味しいから、もう一口という感じで感動したことを覚えています。この瞬間、僕の日本酒に対する印象はがらりと変わりました。

後に、「山の壽」の杜氏、忽那さんを囲む会に参加したのですが、忽那さんは山の壽を「初心者が飲んで美味しいと思ってもらえる酒を目指して作っている。それでいて、初心者じゃない人にもうまいと言ってもらえる酒にしている」という趣旨の言葉を聞きました。僕は、忽那さんの狙い通りの反応だったんだなと、少し嬉しくなりました。

あなたのきっかけになる日本酒は?

僕はたまたま「山の壽」でしたが、他の人に聞くと、色々な銘柄がきっかけで日本酒を好きになっています。あなたを日本酒好きにさせてくれる日本酒に出会ってみませんか?そのお手伝いを、これからの記事でしていけたらと思います。

と、その前に、次回は、このブログのテーマである「日本酒の多様性」について紹介します。